好きな画家を一人だけ挙げるように言われたら、散々悩むし、多分選びきれないんだけど、どうしても強いて……と言うなら、とりあえずこの人かな──というのが、私にとってのレンブラント・ファン・レインである。
と、言う訳で!
心待ちにしていた『レンブラントの夜警』を公開初日に観て参りました!
感想ですが……まず、ピーター・グリーナウェイという映画監督に興味がない、もしくは、レンブラントと言う画家に興味がないなら、行かなくても良いかも知れません。何しろ、私の隣のシートに座ってらしたご夫婦の奥様は何度も寝てしまっていましたから。何で寝てるのに気づいたかと言うと、眠る度にいびきをかいてらしたから!(笑)つまらない映画に寝てしまうのは結構だけど、せめて静かに眠っていてくださるとありがたいです。それができないなら、好きで観ている人のためにも、公開初日になど来てくださいますな、と。
内容については、流石 R15 というか。セックスそのものより、台詞がグロテスク。しかも難解。17世紀当時のオランダについての知識や、レンブラントと言う画家に関する知識が多少なりともないと難しいかな、と。それがあっても、万人向けの映画にはなり得ないと思いますが。こういう映画はどうやっても単館公開なんだろうなぁ。といっても、初回放映は立ち見も出てたらしいし、私が行った二回目も、空いていたのは先頭一列目(テアトル タイムズスクエアは先頭に行けば行くほど観難い。)くらいだったので、結構盛況だったのではないかと。
最初の色の質感の問答からして面白かったし、サスキアとレンブラントがふたり並んで、カメラ(スクリーンを通して観ている我々)に向かって、馴れ初めを語りだすシーンにも吃驚したし(このシーンでやっと、これが劇中劇だと認識した)、演劇の第一幕第二場、みたいな感じで断続したシーンが幾つも連なって、そのひとつひとつが『夜警』という絵を構成する為のヒントになっている──といった形式も飽きさせなくて、とにかくスクリーンに釘付けでした。
出来上がった『夜警』の絵を目の前にして、「これでは絵じゃなくて演劇だ!」等とレンブラントが罵倒されるシーンがあり、この映画が「劇中劇」(というか「映画中劇」というべきなのかな)なら、『夜警』そのものは「画中劇」であるような事も暗喩されていて、そういった構造的な造りもちょっと独特だったように思います。構造的な部分は他にもあったのですが、流石にここでそれを書いてしまうとネタバレも良いところなので、辞めておきます。ただ、そういう視点で観ても、非常に面白い映画です。
とは言え、こういった造りの所為か最終的に描かれない部分もあって、例えば「妹より高い場所から飛び降りて死んでやる!」と叫んでいたマリタが、結局どうなったのかなどは尻切れトンボ。良く言えば、要らない部分は容赦なく省かれているという言い方もできますが……。
登場人物の多さには参ってしまったけれど、そもそも『夜警』自体が登場人物の多い絵画なので、それは致し方ないかな。あ、主演のマーティン・フリーマンだけは、『聖パウロに扮した自画像』に描かれてるレンブラントとそっくりで、この人だけは間違いようがありません。(笑)
私のお隣に座っていたご夫妻は、しきりに「難しくて解らなかった」といった感想を話し合ってましたが、少なくとも奥様が理解できなかったのは、途中で眠ってたからでしょう。(笑)ただ、誰にとっても面白いかと問われれば、決してそうは思いません。レンブラントが題材じゃなかったら、この監督の作品を特に観たいとは思わないだろうな、とも思います。
映画の後は、高島屋内にある『BREIZH Cafe』でガレットを戴きました。ガレットと言えば、神楽坂にある『LE BRETAGNE』は、りくさんにご紹介してもらって巷説のお仲間とご一緒させていただいた事がありますが、BREIZH Cafe はその姉妹店との事で。美味しかったです。また行きたい。
今なら BREIZH Cafe の近くから、実物大の『夜警』のタペストリーを覧る事ができますので、お時間ある方はこちらもどうぞ。
2008年01月14日
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映画「レンブラントの夜警」(2007年、加・仏ほか)
Excerpt: ★★★☆☆ 17世紀オランダの画家レンブラントの名画「夜警」 (The Night Watch)制作にまつわるミステリー。 原題は「Nightwatching」。 チューリップの球根に人々が熱狂..
Weblog: 富久亭日乗
Tracked: 2008-02-01 08:09




