アイスショウと言えば今ではテレビ放映も多く、日本では誰もがその雰囲気を感じる事ができますが、ちょっと前までは然程人気のコンテンツではなかった事もあり、以前の私は、競技会のエキシビション以外の『アイスショウ』と言うものに対しては、バレエ公演みたいなものだろう──といったイメージを持っていました。要するに「最低限の舞台装置と美しいライティングで氷上を彩りながら、何かストーリィ性のあるちょっと長めの演目を、スケーターが通しで演じる」みたいな感じでしょうか。
まぁ、実際観てみたら、競技会のエキシビションのように、沢山の選手が短い演目を次々と演じるといった構成だったので、「こういうの、サーカスっぽい構成だなぁ」といったところが率直な感想だったのですが。
そういう意味で、この『氷の上のスワン・レイク』というのは、私の憧れていた(?)イメージどおりのアイスショウが観られるのではないかという期待もあり、実はかなり早い段階でチケットを入手していました。とは言え、実際に現役時代を知っている選手が出ない事と、そもそも厚生年金会館のステージという事は、余り前の席では足元が観えないのではないかという危惧もあり、遠慮がちに比較的安価な席を購入していたのですけれども。(苦笑)
さて、この『氷の上のスワン・レイク』ですが、バレエの『白鳥の湖』をそのままイメージしていると、割りと驚く点は多いです。私が一番驚いたのは、オデットとオディールを別人が演じていた事──というより、別人であるという演出がなされていた事。軽いんですよ、ジークフリートが……。オデットとオディールが瓜二つで騙されたのではなく、オディールが綺麗だったので浮気してみました、みたいな……。その為、オデットはバレエで演じられるような果敢なさよりは、どちらかというと力強さと寛容さが前面に出ていて、こう……現代的というか。オデットがロットバルトをリフトしちゃったりするし、三者の修羅場とかもあって。ジークフリートがオデットとオディールのふたりをリフトしたりとパワフルな演出も多く、個人的には観ててかなり娯しかったです。
とは言え、全てが異なっていたという事もなくて、例えば四羽の白鳥の有名なシーンなんかはほぼそのまま演じられましたし、オディールのグラン・ジュテも、多分32回よりは少なかったような気がするのですが、スケートならではの技術に置き換えられて演じられていて、余りにも有名な見せ場はそのまま残された、といった感じでした。
衣装も美しく、舞台上で華やかに繰り広げられるダンスに、本当に「ああ、こういうの観たかったんだよね」と。個人的には、プリンスアイスワールドより、こういった演出の方が断然好みなので、通常のスケートリンクでこういった雰囲気のものがもっと観られればなぁ、と。
個人的は概ね満足だったのですが、公演が終わってロビーに出てみたら、「キャストがテレビと違う」と喚くオバサンやら、グッズショップ前でやはり「テレビを観て(当時出ていた)WFSの最新号を買ったのに、今回のショウの記事が載っていなかった」等とショップ店員を責め立てるオバサンやらが目に付いて、何だか興醒めしてしまいました。そんなにテレビが至上なら、ずっとテレビの前に座っていれば良いのに。
ラベル:氷の上のスワン・レイク 四羽の白鳥




