毎年テレビ東京系で放映される、お正月の10時間時代劇。(セブンイレブンがスポンサーだった頃は、12時間の枠だったのになぁ……。)遅くなりましたが、今年もさっくりと感想を。
忠臣蔵 瑤泉院の陰謀(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
新春ワイド時代劇 忠臣蔵 瑤泉院の陰謀(テレビ東京公式)
皆さんご存知、日本三大仇討ちのひとつ『忠臣蔵』の異色作。第三部のラスト30分のみ事情があって観られなかったのですが、とりあえず第一部から通して観ました。個人的には、第三部の仇討そのものが終わった後がこの話の一番の肝だったのではないかと思っているので、その部分を観ないで感想を書くのはちょっと気が引けるのですが、それでも敢えて。
稲森いずみは、先の大河ドラマ『義経』で演じた常盤御前が余りに美しかった事も有り、これからどんどん時代劇をやっていってもらいたい女優のひとりです。ただ、今回に関してはストーリィの若干筋書きに無理があったかな、と。
吉良上野介が強いて悪役とされていないと言うか、寧ろこのドラマでは善人で、逆に浅野内匠頭の方が若干被害妄想気味のきらいがあったという設定なのですが、これが話全体の締まりを喪くしている気がしました。勿論、そのような登場人物の斬新な人格付けの基にこのストーリィ展開もある訳ですけれども、異常な内匠頭を描く事に終始し過ぎて、その切腹シーンに対して、視聴者として感情が盛り上がらなかったんですよね。阿久利と左京の方のエピソードも延々長ったらしく、まぁ昨今の『大奥』ブームを考えれば致し方ないのであろうと思いつつも、第一部が2時間も過ぎた頃、やっと松の廊下での刃傷に至った時には「長かった……」と呟いてしまいました。
う〜ん、もしかしたら原作は面白いのかもしれません。寡聞にして未読なので何とも言えないのですが……。でも、脚本は人情ものに定評のあるジェームス三木だし、それでこれなのか……と。
高橋英樹演じる柳沢吉保からの視点に関しては、非常に興味深く観る事ができました。今回一番の収穫はこれかも。柳沢吉保という視点が加わるだけで、御公儀という第三者的視点がクローズアップされてきて参考になるというか。量子力学じゃないですけれども「観察するという行為そのものが被験者に影響を及ぼす」部分を感じるというか。忠臣蔵というと、どうしても吉良対赤穂義士という構図に囚われがちですが、これに公儀という傍観的視点が入ることで、また違う斬り口が生まれてくるのだな、と。他にも、義士切腹後に残された親族がクローズアップされる点に関しては、異色だったと思います。今までも、赤穂浪士の討ち入り後から切腹までの期間を長時間扱ったドラマはあったように記憶していますが、その親族にまで光を当てたのは初めてだったのではないでしょうか。
筋書きは決まっていても、常に新しい斬り口で描かれる。それが毎年年末年始に必ずお目にかかる、『忠臣蔵』という時代劇の醍醐味だと思います。
因みに私の一番好きな忠臣蔵キャストは、内蔵助は北大路欣也、内匠頭なら東山紀之、堀部安兵衛は役所広司です。
2007年01月11日
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