『DEATH NOTE』の劇場版を観て来ました。久し振りの映画館でしたが、たまたま後ろに座った女性が咳をしてるか喋ってるかというくらい煩くて、もう辟易。ただでも咳が煩いんだから、それ以外は口を閉じてれば良いのに。
観終わった第一印象としては、原作と色々な点が結構違っていたりするのに、それが逆にスタイリッシュに活きていたな、と。私の場合、メディアが違う以上、原作に忠実である必要はないと思っているので、こういう改変は歓迎です。尤も、『原作』というそれだけで完結している世界に手を加えて、敢えて違うものを造るのですから、最低限、原作を愛した人々の期待に報いるものを造る義務はあると思っていますけど。
さて、これは『バトルロワイアル』の劇場版の時も思ったことですが、映画になると原作以上に妙にテーマ性を持ってしまうのは、もう致し方ないのでしょうか。――とは言え、今回はそれがちゃんと活きていて、私はちょっと感動しているのですが。とりあえず、今回はその辺りについて簡単に触れておこうと思います。
月が大学生という設定から始まる話ですから、Lとの出逢いやら、諸々の事件をどう組み込んでくるのかと思っていましたが、月が六法全書を投げ捨てて DEATH NOTE を手に取る辺りは非常に秀逸だと思います。これは原作で魅上照が登場した時に顕著に感じたのですが、月が「キラ」になる動機というのが、原作では割と希薄なんですよね。幾ら父親の職業故に歪んだ正義感を抱えていたとしても、それ以上に「どうしてそんな覚悟ができちゃったんだ?」と思うようなところがあって。その辺が劇場版設定ではクリアになっている。自分の無力さを嘆き、その上に神であろうとする動機が成立してきて、逆に納得できると言うか。でも、こういう事言うようになったら私も大人って感じだな。(笑)動機なんてなくても構わない――そう思えた時期が、私にもちゃんとあったし。まぁ厳密に言えば、今でもそう判ってはいるのだけど。
勿論、原作ではその希薄な動機で粛清を始めた月が、民衆に崇め奉られ、Lに煽られる事によって段々後に退けなくなってく過程というのも、認識できない事はないんですけどね。
さて、劇場版は原作における第一部、要は月対Lの対決が終了するまでと聞いているので、そうなってくると月のとうとうイッちゃった感というのが描かれない事になります。具体的には原作の1巻で描かれる「キラは…自分の家族を殺す事になる」という発言から始まり、9巻における(嘘ルール前提の上での)「父さんがノートに名前を書くような展開になったら……………その時は」辺りに見出せる、月の身内(愛する者)を殺す事に対する認識と、その一線を越える事態というのは、内容的に第一部までで終了してしまう劇場版では網羅できない。こういう場合、回収できない伏線なら張らない方が良いだろうと考えますし、敢えて張らないだろうとも思っていた訳ですが、この伏線に果敢にも挑戦してきた事が、この劇場版における最大の価値だと、私は考えます。
オリジナルキャラなんて要らないよ、と思っていた詩織の存在がそれです。結局、原作にいないキャラだからこそ、ああいう形で動かし、月の一線を越えてしまったところを描く事が出来てしまった。その分、逆に月に変な人間らしさを植付ける必要が生じて、「詩織なら解ってくれる」等と言う違和感バリバリの発言を繰り出してしまう事にもなりましたが、これさえ除けば、彼女の存在は概ね価値あるものだと思います。画面的に彼女自体綺麗に納まっていたのも良かったです。(『新撰組!』の時の八木家の娘役の子が、藤原竜也と並ぶと余りにも納まりが悪かったので、その印象が凄く残っている)
ところで、劇中に出てくる「仮面と死神」という絵画については、アンソールに同名のものがありますが、これではないですね。でも、アンソールに同名の絵がある事を前提に、劇中の絵画にこのタイトルを用いたのだとすれば、これもかなり象徴的だな、と。とは言え、話すと長いのでこの辺は割愛。
最後のおまけでロケ地について少し。新宿や原宿のオーロラヴィジョンは馴染みがあるだけに、よくもまぁあそこでロケを断行したものだと感心しました。とは言え、新宿のアルタ前の撮りは大変だっただろうなぁ。あそこ、夜中だって全然人減らないし。原宿辺りなら夜は人が減るイメージがあるんですけど。(どうせ、原宿の方は撮影自体昼だから意味ないが。)でも、現代の東京が舞台である事をありありと感じる事ができて良かったと思います。
美術館に関しては、展示物や雰囲気からして東京都現代美術館辺りかと思っていたら、あれは北九州市立美術館と栃木県立美術館なのだそうで。地下鉄についても、映像では何処の駅を使っているのか把握できず、赤坂橋という名前も馴染みがなかったので色々と不思議に思っていたのですが、あれも九州だったのですね。九州ロケ多かったんだなぁ。
全然関係ないけど、個人的にリュークの声はもっと低い方が良かったな。そう言えば、中村獅童は後編どうするんだ。
2006年07月24日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック
【衝動レビュー】いまさらデスノート大人買い
Excerpt: もう既に今さらっちゅー感じですが。 デスノート大人買いしてみました(´д`鐓?)鐓?...
Weblog: SHODO(衝動)
Tracked: 2006-07-24 23:11




