2010年05月06日

美しき挑発 レンピッカ展

 ゴールデンウィークは、1日はここで遊ぼうと思ってたんだよね。
 という訳で、4日に Bunkamura ザ・ミュージアム で開催されている美しき挑発『レンピッカ展 ─本能に生きた伝説の画家─』に行って参りましたよ。
 レンピッカの回顧展に行ったのは初めてです。一応1997年に新宿伊勢丹でも開催されていたようなのですが、当時絶賛貧乏学生だった(笑)事もあって、開催されていた事さえ知らず……。
 今回はツイッターのtakさんのツイートで開催を知ったのですが、こういう事がある度に、「いやぁ、世の中変わったね〜……」とか思ってしまいます。

 さて。レンピッカと言えば、日本人にとって身近なところでは香水のブランド名かな。『ロリータ・レンピカ』。関係があるのかどうかは全然知らないけれど、レンピッカの《ピンクの服を着たキゼット》という絵は、ウラジーミル・ナボコフの小説『ロリータ』の表紙を飾る事が度々あるそうで。(笑)これ、関係あるのかなぁ。あんまり調べないで書いてるのですが、全く関係ないにしては出来過ぎている気がするんだけど。
 まぁそんな訳で、レンピッカについては子供の頃に教科書でお目にかかった記憶もなく、殆ど観る機会に恵まれていなかったので、今回初めてがっつりと観てきましたよ。絵も勿論だけど、ご本人のポートレイトもね。
 レンピッカという人は、所謂セルフプロデュースが凄く巧くて、何だろうなぁ…あゆっぽい?(ちょっと違うか。)絵も斬新なんだけど、本人も凄く斬新な人なんだわ。ファッションとかもね、ポール・ポワレのドレスなんか着ちゃって、女だてらに自動車を運転したりする訳です。それも元々美人だから凄く格好良い。映えるんだ、これが。理想の女性像としてもとても素敵なのだな。ポートレイトなんかもホント飾り甲斐があります。
 そして勿論、絵も斬新。公式サイトのトップ絵だけ観ても印象的な肖像が沢山並んでいるけれど、個人的には何と言っても、この人の描く女性の絵。これが堪らない。そして緑色の使い方が最高。この展覧会を観た女性なら、必ず緑色のものを身に着けたいと思うだろうなってくらい、緑が官能的に使われているのだ。顕著なのが《緑の服の婦》。他にも《緑のヴェール》や自動車を運転する自画像なんかも、本当に緑色が艶っぽく描かれている。
 そして、注目したいのが指先。この人の絵の指先もまた堪らない。ベースにキュビズムの入った面取りされたパーツがそう見せるのかも知れないけど、どの絵を取っても指先がセクシーなのです。旦那との離婚を目前にして、旦那の肖像画の左手を描きかけにしてしまうというエピソードもまた切ない。
 私は、(実は人に言われて気付いたのだが)女性の顔モチーフの持ち物が結構多くて、それこそパスケースにキーケース、iPodのデコシールから、よく着るTシャツに至るまで、本当に女性の顔がババンと載ってるものが多い。だから、余計にレンピッカの描く肖像に惹かれるのだと思う。彼女の最盛期の絵は、本当に魅力的に思えてしまうのだ。こういう時、語彙がなくて哀しく感じる程度には。
 レンピッカは、肖像画の需要がなくなった後、どうも時代の流れに乗るのに失敗してしまっていて、イマイチ冴えないというか……ちょっと地味な印象の絵画が多くなります。風景画や静物画、そして抽象画……。あの画風ならシューリアリズムに移行して往きそうな気がするし、事実そういう絵も全くない訳じゃないのだけど、どうもそちらの方向には行かなかったよう。あの絵なら、そういう世界を描いたら、かなり惹き込まれると思うのだけど。晩年は、再評価を受けて最盛期の頃の絵のレプリカの制作を行っていたそうですが、個人的には彼女のシュールリアリズム絵画も観てみたかったな、なんて思ったりも。

 今回の展覧会で圧巻なのは《緑の服の婦》と《イーラ・Pの肖像》が並んで飾ってあるところ。彼女自身も一番勢いがあった時代でしょうし、絵にも当然勢いがあります。圧倒される。

 渋谷での開催はもうすぐ終了ですが、神戸にも巡回するそうです。レンピッカをまだ観た事がないという方、是非!
posted by HOSHINA Shiho at 01:19| Comment(0) | TrackBack(1) | 美術展 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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『美しき挑発 レンピッカ展/本能に生きた伝説の画家』
Excerpt: 去年の秋ぐらいだったかにポスターを観て、非常に気になっていた展覧会へ行ってきました。 場所は渋谷BunkamuraのB1、ザ・ミュージアム。 タマラ・ド・レンピッカという名前は知らなかったので..
Weblog: 【徒然なるままに・・・】
Tracked: 2010-05-08 09:50
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