実は、4月は2度も Bunkamura オーチャードホール に脚を運んでいたのでした。
という訳で、今更ながらですが、4月15日にスタニスラフスキー&ネミロヴィチ=ダンチェンコ記念国立モスクワ音楽劇場バレエ及び国立モスクワ音楽劇場管弦楽団(何処を略して良いか判らん。)の『エスメラルダ』を観に行って参りました。原作はビクトル・ユゴーの『ノートルダム・ド・パリ』。『ノートルダム・ド・パリ』と言えば、今だと、ディズニーの『ノートルダムの鐘』を思い出す人もいると思うのですが、あれはディズニーというかアメリカっぽくハッピーエンドになっているので、物語が全く違うものになってるんですよね。実際のユゴーの作品の方は、至って昏く救いようがない話で、誰も幸せにはならない。なれない。でも、私はどちらかというとこっちの方が好み。日本人の感性にもこっちの方が合うと思うんだけど。
全然関係ないけど、人魚姫も『リトルマーメイド』よりは、強かに永遠の命を手に入れる原作の人魚姫の方が好きですよ。
今回の『エスメラルダ』はブルメイステル版と呼ばれるものなのですが、それ以前の問題として、私は『エスメラルダ』をバレエで観た事が一度もなかったので、今回はこの全幕通して『エスメラルダ』を観るというのが私の目的。
音楽:チェーザレ・プーニ/レイゴリト・グリエール/セルゲイ・ワシレンコ
台本:ワシリー・チホミーロフ/ウラジーミル・ブルメイステル
美術:アレクサンダー・ルーシン
振付・演出:ウラジーミル:ブルメイステル(1950年)
リバイバル版演出:セルゲイ・フィーリン(2009年)
私が行ったのは15日の回なのでキャストは以下の通り。
エスメラルダ:ナターリヤ・レドフスカヤ(シニア・プリンシパル)
エスメラルダ子役:クセーニャ・ベローワ
フェビュス:ゲオルギー・スミレフスキ(シニア・プリンシパル)
クロード:フロロ:ウラジーミル・キリーロフ(ゲスト・ダンサー)
カジモド:アントン・ドマショーフ
グドゥラ:インナ・ギンケーヴィチ
フルール・ド・リス:アミーロワ
ジプシー:イリーナ・ベラヴィナ
将校:ドミトリー・ハムジン/セルゲイ・クジミン
道化:デニス・アキンフェーエフ/デニス・ペルコフスキー/アレクセイ・ポポーフ
王:ドミトリー・ロマネンコ/セルゲイ・マヌイロフ/イリーヤ・ウルーソフ
ジェンジェーリ:アンナ・ヴォロンコーワ
ヴェリエーション:マリア・クラマレンコ/マリーヤ・セメニャチェンコ/カリーナ・ジートコワ
カジモドは所謂シニア・プリンシパルが演るのかと思ってたのですが、この「ノートルダム・ド・パリ」はエスメラルダが主人公なので、エスメラルダとフェビュスをシニア・プリンシパルが演じる形で、カジモドは意外にも普通のソリスト(いや、ソリストだって、凄いんだけど)。
とは言え今回驚いたのは、それだけではなくて……特にコールド! もうバンバン踊るんだ、これが。余り多くバレエを観てる訳じゃないけれど、コールドがこれだけ動き回るのって、ちょっと吃驚する。ジプシーも「この人がエスメラルダなの?」と思うくらいソロでガンガン踊るし。もっともエスメラルダはジプシーの後に満を持しての登場なのだけど。
こう言っちゃ何だけど、エスメラルダもフェビュスも本当に素人目に観てもそりゃ当然に上手いんだけど、これだけコールドも激しく動いていると、そこまで飛び抜けて凄いのかが判らなくなる。エスメラルダがコールドを従えて踊るような場面が殆どない所為なのかもしれない。(エスメラルダが踊るシーンは、舞台上の人々は概ねそれを眺めてるってパタンが多いのだ。後はフェビュスとのパ・ドゥ・ドゥとか。)コールドを従えて踊るようなシーンがあると、シニア・プリンシパルなんて飛び抜けて目立つから一発なんだけどなぁ。逆に言うと、全体的に完成度が高いのか。
それにしても、シアター・オン・アイスなんかでも感じたのだけれど、コールドの見せ場が凄く多かった印象。これって、古典的なロシアバレエの演出としては定番なんだろうか。サーカスが盛んだから、全体的にみんな動くの当たり前なのかな。
また、踊りだけでなく舞台装置や中幕なんかも素晴らしくて、美術も凄く良い仕事してると思いました。幕が降りてる状態でも、舞台は溜息吐きたくなるような美しさ。舞台が上がっても、街角の柱ひとつ取っても美しかったのですよ。
セルゲイ・フィーリン演出の舞台がまた来日したら観に行きたいと思いつつ、次回は今回諦めてしまった『白鳥の湖』も観てみたいなぁ、などと。やっぱり、この辺りの演目はロシアのお家芸だしね。でも、日本では余り見かけない演目も観たいな……。
2010年05月05日
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