2009年03月23日

ルーヴル美術館展 17世紀ヨーロッパ絵画

 連休も最終日の22日。お天気は生憎の雨模様でしたが、国立西洋美術館で開催されているルーヴル美術館展 17世紀ヨーロッパ絵画に行って参りましたよ。
 今回は珍しく前売り券を購入していましたので、入場はスムーズ……と思いきや、意外にも10分ほど列びました。こういう会期の長い展覧会は、展覧会の開始月と最終月以外は割りと列ばずに入れるイメージがあったので、「休日とは言え、この日取りを選んだのに列ぶのか……。」とやや驚きも。まぁ、列ぶのは色々と慣れてますが。
 今回、前売り券を購入した理由はやっぱりルパン三世★お宝チケット。値段は当日券と同じだし、流石主催にNTVが入っているだけあってルパン三世とはセレクトが良いな、と。個人的に、ルパンというのは形無きものを鮮やかに盗み取る事ができる腕の良い盗賊だと思っているので、こういうコラボにはぐっと来ます。因みに書き下ろしのポストカードは、レンブラントとフェルメール、クロード・ロランとのコラボです。

 さて、実際の展覧会ですが……これの感想、どうしよう……みたいな。なんか有名どころの絵が多すぎて、本当にこんな凄い展覧会がさらりと開催されてることに驚きます。作品数は71点と西洋美術館の企画展にしては決して多い方ではないと思うのですが、なんか凄く観るの時間がかかるしお腹いっぱいになる展覧会なのですよ。だって、17世紀だし。大好きなオランダ絵画だけでもこの時代は満腹感を味わえるというのに、ヨーロッパ絵画なんて大雑把な括りで、その上ルーブルだし。ルーブル美術館展って比較的数多く脚を運んでる気がするのですが、今回が一番何観たら良いか判らなかったです。凄い絵が多すぎて。
レンブラント・ファン・レイン 《縁なし帽を被り、金の鎖を付けた自画像》
 この人の自画像には何度かお目にかかったことがありますが、映画『レンブラントの夜警』を観て以来、彼の自画像を観ると、まず頬が緩んでしまう癖が……。多分、映画のイメージが強すぎるんだろうなぁ。裸で色彩の質感の問答を始めるレンブラントの姿が目にチラついてしまって。この人の場合、自画像は沢山描いているものの常にコスプレしているので、出会う度に新たな発見があります。しかもそのコスプレの内容で、彼がその時にどういった境遇に置かれていた時代なのかも大体見て取れる部分があったりして。

ヨハネス・フェルメール 《レースを編む女》
 ここのところ、フェルメールの絵が集中して来日しているような気がするのは気の所為ではないはず……。
 この絵に描かれてる女性は《ヴァージナルの前に座る若い女性》と同一人物だと思うんだけど。違うのかな。絵そのものが小さい上に、画面の手前にある赤と白の糸に視線が釘付けになってしてしまう所為か、細かい部分ばかりきになってしまう絵なのだけれど、画面全体を包み込む光の魅力はやっぱりフェルメール独特のものがあります。

ペドロ・ヌーニェス・デ・ビリャビセンシオ 《ムール貝を食べる少年たち》
 この絵については余りバックボーンを知らないし、画家の名前も良く知らなかったりするのですが(駄目じゃん)、この絵を観た瞬間に思い出したのが、子供の頃に観た世界名作劇場の『トム・ソーヤーの冒険』。まぁ、トム・ソーヤーは200年くらい後の時代のストーリィですが、この絵に描かれた少年達の表情が、このアニメの主人公達の表情を髣髴とさせるような感じで、本当に生き生きしてて微笑ましかったのです。

ヤン・ステーン 《家族の陽気な食事》
 ヤン・ステーンといえば風刺画ですが、この人の絵の何よりの特徴は、絵から喧騒が伝わってくる事だと思います。光を感じる画家というのは何人か思い浮かぶのですが、ここまで派手に喧騒(寧ろ騒音)を感じる絵を描く人は余り見かけません。(笑)

クロード・ロラン 《クリュセイスを父親のもとに返すオデュッセウス》
 光を感じさせる画家と言えば、ターナーとこの人、というくらい光の印象の強い画家だと思います。この人の絵は、画面から差し込む光に照らされるような錯覚さえ感じます。1998年の新展示場開館記念の企画展もこの人の展覧会だったし、西洋美術館はこの人推してる感じかな?

ピエル・フランチェスコ・モーラ 《弓を持つ東方の戦士(バルバリア海賊)》
 残念ながらポストカードにはなっていなかったけれど、この絵のポストカードがあったら絶対購入したのに、と思ったほどの凛々しい海賊の絵です。宗教画でない人物画では、この絵が一番印象深かったです。

アントーン・ファン・ダイク 《プファルツ選帝侯の息子たち》
 ダイクというだけでインパクトがあったのかも知れませんが、このふたりの青年の姿はかなり印象に残りました。池田理代子の漫画に出てきそうな雰囲気。別に目がキラキラしていてまつげが長いって訳ではないのですが、醸し出す雰囲気は、子供の頃に植え付けられた、あの『貴族』のものなんだよなぁ……。

ペーテル・パウル・ルーベンス 《ユノに欺かれるイクシオン》
 ここまで書いてて、余りにも有名な画家の名前ばかり並べている事に改めて驚いてきましたよ。何だこの展覧会。凄いなぁ。
 これは1枚の絵の中にユノがふたり描かれている絵です。といっても、ひとりはユピテルが造った偽物のユノだけど。画面左側と右側で雰囲気が全く違っていて、2枚の絵を観ているような気分になります。もっとも、これを1枚にまとめてひとつの世界を造っているところが凄いんだけど。

ヨアヒム・ウテワール 《アンドロメダを救うペルセウス》
 日本では余り見かけない名前の画家ですが、オランダ絵画ってやっぱり目を惹くんだよなぁ。主題そのものはありきたりながら、画面の構成が独特。アンドロメダの足元に転がる貝殻や、海の怪物(龍だと思うんだけど)の極彩色も印象的です。

カルロ・ドルチ 《受胎告知 天使》 《受胎告知 聖母》
 この二枚の絵は並べて飾られていたのですが、今回観た中では一番印象に残りました。ありきたりな感想で大変恐縮ですが(今更何を言っているのか。)大変神聖な印象を受けました。この一対の絵を観ている内に、エルサレム賞授賞式で村上春樹が語った記念講演の言葉を思い出し、涙が出そうになりました。何でそんなもの思い出したのかは我ながら謎ですが……。
 う〜ん、もしかして所謂「心が洗われた」ってやつかも。でも、そうさせる程の神聖さが、この絵にはあったんです。別に、クリスチャンって訳じゃないんだけどなぁ。

ジョルジュ・ド・ラトゥール 《大工ヨセフ》
 ラトゥールの絵は、その視線にインパクトがあります。ここまで、生きた人間の視線を生々しく描く人も余りいないというか……。ヨセフの視線もキリストの視線も今にも動きそうで、何と言うか……「ああ、生きてる。今この瞬間に、次の場面に変わりそう」みたいな、不思議な印象を受けるのです。
 この視線の強さみたいなものは、生で観ないと判らないと思います。印刷だと、どうも再現できないっぽい。
 因みに、このラトゥールの絵は先に述べたドルチの絵と並べて飾られており、これらの絵が醸し出す空間もまた素敵でした。

バルトロメ・エステバン・ムリーリョ 《6人の人物の前に現れる無原罪の聖母》
 息切れしてきました。(苦笑)有名どころ多すぎだよ、この展覧会……。
 ムリーリョ大好きです。彼の描く聖母は……聖母に限りませんが、とにかく表情が柔らかくて優しい。今回も、この絵が一番観たかったのです。非常に大きな作品で(もっとも彼の作品は大型のものが多いのだけど。)見応えがあります。
 う〜ん、ざっくり印象に残った絵だけ書き出してみたけれど、他にもいっぱいあるんだよなぁ。もう一回くらいこの展覧会の感想書いてそうだな……。


posted by HOSHINA Shiho at 00:01| Comment(2) | TrackBack(2) | 美術展 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは。
TBありがとうございました。

お返事遅くなってしまい申し訳ないです。

感想一度では書ききれませんよね。
自分も途中で断念し個々の作品については
「またあとで」としました。
Posted by Tak at 2009年03月29日 21:09
>Takさん
 お久し振りです。コメントありがとうございます。そして私もレスが大概遅くて申し訳ありません。
 それにしても、今回の展覧会はちょっと別格なくらい凄い絵が多くて……。多分、もう1度くらい行きます。そしてまた感想書きます。(笑)
Posted by 志穂。 at 2009年04月04日 22:17
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Tracked: 2009-03-29 21:07

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