ここ最近、毎晩眠る前に必ず観る映像がある。それは、2005年12月25日のメダリスト・オン・アイスで本田武史が演じた『アランフェス』だ。私の知る限り、本田武史っていつも微妙なコンディションで、でも完璧じゃないのがまた本田っぽいなぁ、みたいな――とにかく、私にとっての彼のイメージはそういう感じだったんだけど、でも、多分アマチュア時代最後のアランフェスとなった(四大陸選手権に出るとしても、やっぱりもうアランフェスは演らない気がする。判らないけど。)この時のエキシビションは、もう本当に完璧で、ジャンプも全部成功したし、ステップも凄く滑らかで安定してて、美しくて切なくて哀しくて、演技終了と同時に、私は思わず立ち上がってしまった。
しなやかに動く腕とか、緩やかにラインを描く指先とか、殆ど氷を傷つけない静かなスピンとか……それから、視線。アランフェスに一体となって氷の上を舞う彼は本当に素敵だったし、それにあの日に観た日本人選手の中では、誰よりも巧いように思えた。
もの凄く遠い席で観てたのに、滑り終えてスタンディング・オベーションに応える彼の顔には笑みが差していて――それが観えたから、私は余計嬉しくなって拍手をした。
静かな冬の夜は、キャンデロロのダルタニアンだとちょっとテンションが高すぎるから、何となく本田のアランフェスが観たくなる。私が冬の夜に愛して止まないのは、本田武史の、多分最後のアランフェス。
2006年01月12日
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