さて。過日、詳細は後ほど──などと書いて何日過ぎたのか数えたくもないですが(苦笑)12日にジョン・ノイマイヤー芸術監督就任35周年記念公演、ハンブルク・バレエ団の『人魚姫』を観に、NHKホールまで行って参りました。この日は、『人魚姫』の正真正銘の日本初公演の回だった事もあり、入口には「大使館関係者受付」の看板も。外国人の観客も結構多い印象でした。
今回のツアーでは『椿姫』の再演もあったそうなのですが、これは1997年の日本初演の時の公演を観ているのでとりあえずパス。(金銭的な事情以外の何物でもありませんが。)とは言え、パンフレットを購入したところ、『椿姫』にはヨハン・ステグリが出るとの記載もあり……。彼は服部有吉の舞台にも登場してるとあって、日本でも割りとお馴染みな存在だし、これはこれで観たかったかもなぁ。
ま、そういうの言ってると切りがないけど。
さて、今回の『人魚姫』は何と生オケ演奏。開演時刻になってまず始まったのはオーケストラの音合わせでした。因みに、この作品は全二幕だったのですが、休憩を挟んで二幕目が始まるときもやっぱり最初が音合わせで、休憩中に点でバラバラに音を奏でる楽器をBGMにしてロビーでワインを呑んでいる人々の姿と言い、きっちり着席した観客を前にして始まった音合わせと言い、色々な意味で新鮮でした、私には。
人魚姫役を演じたシルヴィア・アッツォーニは身長が驚くほど小さくて……。今回の舞台にはなんと歌舞伎に出てくる黒子がいて、アッツォーニが人魚の間は、3人の黒子が彼女の体をリフトして(この表現合ってるのか……。)波にたゆたう魚の尾をも表現しているのですが、まぁ、この黒子と衣装のお陰もあってか、人魚を演じている間は、彼女の小さい感じというのは余り気にならないのです。それが、彼女が魔法使いから貰った薬を呑む事で尾が剥げ落ちて人間になる瞬間や、特にその後、人間になっしまってからは、上手く歩けない事や、王子と結婚できない事などがどんどん彼女を卑屈にしていく様が、その身長の小ささ故に倍増されて引き立ったというか……そんな風に感じました。これが王女役のエレーヌ・ブシェだと、ちょっと難しいんじゃないかしら──などと思ってしまうのだけれど、確か15日の公演の配役では、ブシェが人魚姫なんだよなぁ。どうだったんだろう。15日を観た人の感想とかももっと聴きたいなぁ。他の方のレビューも少しだけ拝見したのだけれど、これは賛否両論なのかな。
アッツォーニ演じる人魚姫は、人魚の頃は本当に美しく活発で華があって、観ている側としても「なんてパワフルなお姫様なの」と思えてしまう程。けれど人間になってからは全然無様で……というか、無様に見せてて。その、醜く見せる技術、そして演出が非常に衝撃的でした。巧い人に、非常に姿勢の悪い姿で舞台に立たせる。人間のドレスが、全く似合って見えない。その劇的な差がアッツォーニの技術によるものなのか、それともノイマイヤーの振りによるものなのか、まぁ多分両方ではあるのだけれど、とにかくこの日の人魚姫は圧巻でした。
その他にも、魔法使いも顔に歌舞伎役者のような隈取があって、元々ノイマイヤーの演出自体が前衛的ではあるのだけれど、この人は割りと日本趣味というか、日本の舞台演出を結構取り入れてる感じが判ります。人魚が人間になる瞬間の演出なんかも、舞台で幾重にも衣装を脱いでゆく様など、個人的には驚きの嵐。
カーテンコールではダンサーらと共に、オーケストラのソリスト(コンサートマスタかも。)、コンダクタ、そしてノイマイヤーも登場し、特にノイマイヤー登場の際には、場内割れんばかりの拍手に包まれました。
私は元々、男が描く女々しい物語が大好きな質で、それは今回のアンデルセンの『人魚姫』然り、デュマ・フィスの『椿姫』、オスカー・ワイルドの『幸福な王子』、極め付けには平井堅の描く歌詞なんかもストライクゾーンだったりします。(笑)なので今回、この作品を観に行くのは必然だったのだけれど、今月はバレエ好きな人には大変だっただろうな。他にも日程被ってたのあったみたいだし。
2009年02月21日
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