夏から催っていたというのに、あれよあれよと時は過ぎ……気が付けば終了間際で、スケジュールの調整に四苦八苦──という定番の状況に陥りつつ、それでも何とか行って参りました、『フェルメール展 光の天才画家とデルフトの巨匠たち』。因みにこの展覧会はasahi.comとTBSの両方に公式があります。開催が決まった時点ではさぞかし景気も良かったのでしょう。美術館と言うのは不景気になると消えゆくもの──と、これは経験則ですが。
フェルメールは昨年の国立新美術館以来。とは言え、前回はウフィツィ美術館所蔵の1点のみの来日だったのに較べ、今回は7点も一気に来日すると言う事で期待度も7倍(過剰表現)。
今回の展覧会で一番印象的だったのは『ヴァージナルの前に座る若い女』。この作品は、永らくフェルメールの真筆かどうか謎とされていたそうですが、個人的には全体的な印象が昨年観た『牛乳を注ぐ女』にそっくりで、観た瞬間に「これは絶対にフェルメールの真筆だよ……!」みたいな、変な感動がありました。
その他にも、室内に差し込む柔らかな光を活かした絵の数々に驚かされるばかりで。『リュートを調弦する女』の視線、『手紙を書く婦人と召使い』の婦人の頭上のレース……そういった細部の美しさが、また堪らない感じでした。
フェルメール以外の画家で注目したのは、カレル・ファブリティウス。流石レンブラント工房出身というか……私の怪しい審美眼(笑)では、この人の絵を見せられて「レンブラントの作品だよ」と言われたら、まず騙されるでしょう。筆遣いなんか凄く似ていて。もっとも、この人の場合は騙し絵が有名らしく、レンブラントのような劇的な陰影みたいなものは余り絵の中に視えないので、そういった点では見分けられなくもないかも知れません。
今回の展覧会では、ちょっと不快な事もあって。
フェルメールの『ワイングラスを持つ娘』の前で順番待ちをしていたら、丁度目の前に女性が割り込んできた上に「押さないでください」と注意されたという……。余りの不条理さに吃驚して「いや、一応列んでるんですけど……。」と言ってはみたものの、何しろ私は今まで美術館でこういったトラブルに遭った事がなかったので、とりあえず引く事に。案の定その女性、今度は別の場所で男性と口論になっていたので、あの場で引いたのは正解ではあったのだけど。ホント、こんなところで電波に遭うとはツイてなかったな、と。
今回、作品数は40点程だったので、入場前はかなり小規模な展覧会といったイメージを持ったのですが、実際には待ち行列で70分費やして、場内を廻るのにも2時間程度かかり、結構なボリューム感でした。色んな意味で疲れた。
因みに、18時50分過ぎに都美術館を出た時も、やっぱり待ち行列の看板は70分待ちとの記載だったのだけど……金曜の都美術って20時閉館だったような気が……それで良いのか。
2008年12月16日
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