2009年08月30日

伊勢神宮と神々の美術

 29日に、上野の東京国立博物館の平成館で開催されている『伊勢神宮と神々の美術 〜上野でぶらり、伊勢詣で〜』展を観て参りました。
 彬子様のご鑑賞のお時間と少し重なってしまって、写真撮影のフラッシュに何度か意識が向いてしまったりもしつつ、そもそもそんな高貴な御方が、我々のような庶民に混じって展示物を眺めているという現実に驚いてみたり。私が勤務している会社の会長は、この手の展覧会は一般客がいない時間に覧てるって話だしさ……。
 さて。私自身は、本場の伊勢参りには行った事がないのですが、あの周辺に関しては、前々から愛知の明治村と併せてしっかり時間を取って行きたいと思っているので、(年内はもう無理だけど)実はこっそり良いタイミングを探っていたりします。
 そんな訳で、今回は気分だけ。上野でぶらり、伊勢詣で──ですよ。(笑)

 個人的に気になった作品を幾つか。
 おや、と思ったのは『伊勢両宮曼荼羅』という2幅の曼荼羅。1幅は外宮、1幅は内宮が描かれているのですが、ここでふと気になったのが、『山神』という記述。私、この辺りの知識についてはかなり昏いので、直感で考えてるところが大きいんだけど──これって単純に「山の神」を指しているとは思えないなぁ、とか……。だって、この山神様って、描かれている姿を覧る限りは男性みたいだし(普通「山の神」って言ったら女性だろう)、『山神』様って、前に『ほんとにあった怖い話』って雑誌で視っちゃんの話に出てこなかったっけ? とか妄想。実際のところどうなんだろう。
 そして何と言っても眼を惹いたのは、昭和4年に調進されたという『玉纏御太刀』。ライティングが明るかった所為もあったんだろうけど、おっそろしく美しくて驚きました。鞘に嵌め込まれた沢山の玉、柄の勾金(まがりがね)に嵌め込まれた幾つもの鈴。太刀袋は隣に展示されていた『須賀利御太刀』の方が豪華だったかも知れないけれど、初めて玉纏御太刀を観た時には、神様が鈴を鳴らして太刀を振るう光景が思わず眼に浮かびました──妄想だけど。
 昭和28年に調進されたという『刺車錦御被』という衾(いわゆる寝間着)の意匠もモダンで吃驚。寝間着がこんなにお洒落だなんて、また要らない妄想を掻き立てられる創造意欲が湧くというか。素敵だ。
 あと、不思議な感じがしたのが『鶴斑毛御彫馬』。鶴斑の馬というのはもう絶滅してしまっているそうですが、青白くて、子供かと見紛うような少し寸胴気味なその馬の姿が──その日の夢に出てきた馬に似てたような……いや、鶴斑じゃ無かったかもしれないけど。う〜む。
 何と言うか……この手の展覧会は本当に想像力を掻き立てられてしまって、よく脚を運ぶ絵画展とはちょっと違う感じの印象。ひとつひとつの作品から想起されるイメージが多すぎて、作品より妄想に妄想にと意識が。(苦笑)
 4種の『伊勢参詣曼荼羅』を全部観る為には最低でも3回は脚を運ばなければならないという事実はちょっと残念だったけれど、国宝や重文についても幾つか観る事ができたし、今回はこれで充分かも。というか次はもっと勉強した方が良いな。

 展覧会自体ももうすぐお仕舞いだし、夏休みの終わりも近いと言う事で、混雑を予想して色々と準備して行ったのですが、実際のところ余り混んでいませんでした。今が行き時かも。
posted by HOSHINA Shiho at 23:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術展 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月27日

フレンズ オン アイス 2009

 そろそろ夏も終わり──という事で22日にフェイシャルからボディまでがっつりメンテナンスして、23日は例年通り、千秋楽公演に行って参りましたよ。
 前回──というと語弊があるな。先のXOIの時は不景気真っ只中で(今だって決して良くはないのだろうけど)、スポンサー集めるのも大変だったんだろうな、なんて下世話な想像もしてしまえるような状態だったのだけれど、その点に於ては今回はそれなりに恢復してきてるんだろうな、といった印象を受けました。

 今回も滑走順に感想など。
 オープニングと、それに続いて世界チャンプによる群舞。こうやって、チャンピオンだけで群舞ができる程に、実力のある選手が日本に集まっているのだと思うと、日本って何て環境良くなったんだろうと、そんなところに感動。
 村元小月。自己推薦枠だそうです。FOIは毎回新しい取り組みがあって尊敬します。
 田村岳斗。王子様っぽいコスチュームでしっとりしたプロ。FOIがなかったらプロでこんなに長く滑ってなかったと思う──そんなメッセージがありました。う〜ん、ちょっと心臟に悪いなぁ。(苦笑)当たり前のようにいてくれるヒトからそういう言葉が出ると不安になる。でも年齢的にそういうものなのかなぁ……。
 鈴木明子。『ウエストサイドストーリー』。ボーンの振付だそうです。まだ滑り始めたばっかりなのかな、という感じ? まだ、プロ自体と彼女の動きが乖離してる印象が。やってる事は凄いし、シーズン入ったらどうなるのか想像もつかない程に素晴らしい仕上がりなのだけれども……。ボーンの振りというのは独特で(語弊があるな。誰の振付であろうと振付師の個性は私みたいな素人でも判るものだし。)彼女の振り特有の躍動感を感じるのですよ。それがまだ出し切れてないというか。まだプロに踊らされてるというか──でも、競技プロだとまた違うのだろうな。
 小塚崇彦。今年のフリーなのかな? ショウだから要素も少し落としてるのだろうけど、これは……今年、期待大! 男子日本勢は今一番良い時期かもなぁ。五輪シーズンにこういうのは愉しい。
 タニス・ベルビン&ベンジャミン・アゴスト。去年のエキシビションナンバーです。このカップル、以前はなかなか日本で観る機会がないと思ってたのに、今年はもうこれ観るの2回目……。ありがたみが解からなくなってきた。(笑)
 本田武史。今回、一緒に行った同僚嬢が第一番良かったと大絶賛だったのが、この『ハナミズキ』。このプロ何度か観てると思うのですが、私も今回が一番良かった……! やっぱ表現力は男子日本勢の中じゃこのヒトが最強──とか思ってしまう。
 シェーリーン・ボーン。相変わらず素敵。このヒトのプロって実はジャンプとかないんだけど、躍動感というか肉感というか(エロい言い方だな。)……動きがあって華やかなんだよなぁ。同じプロ滑っても、こういう雰囲気になる人は余りいないと思う。
 カート・ブラウニング。生。本物。これで40過ぎなのか……そして本物。呆然。『アイムユアーズ』でした。
 一部の取りは高橋大輔。『ラブレター』というプロ。滑り方が……ちょっと変わった? 丁寧になったというか、流れるようになったというか。違うな。前から綺麗だったし。何だろうなぁ。こってり感が抜けた? これも違うような……。
 全体的にはまだ慎重なんだな──という感じは受けたけれど、思っていた以上の仕上がり。そして、今までと一味違う感じ。これは楽しみ。衣装も好きだ。

 抽選会と休憩を挟んで、後半は荒川静香&キッズスケーターから。今年はモニタ表示がなかったのでキッズの名前は判らず。最初は『カルミナ・ブラーナ』で荒川だけ現れて、その後『オーバー・ザ・レインボー』でキッズスケーター登場。キッズコラボはFOI特有なので毎回微笑ましい気分になります。ボリューム的にもこれくらいが丁度良い感じ。因みにこれの振付は宮本賢二との事。オープニングが佐藤由香でフィナーレがシェーリーン・ボーンという事で、それぞれに個性が。
 本田武史。冒頭のオリンピックに寄せたメッセージと、ライトダウンしている中でも薄っすらと浮かび上がるワインレッドの衣装に「え? え?」といきなりひとりで気が動転!(前情報を収集していなかった。)何と『レイエンダ』が……! シルエットは大分当時とは変わったけれど、やっぱり格好良い! このプロは振付がカートだったから滑ってくれたのだろうか。どちらにしてもこれを観た私は勝ち組!
 シェーリーン・ボーン。椅子を氷上に置いて滑るプロと言うのは幾つか観た事あると思うけど、こんな凄い(語彙のない表現で大変申し訳ないというか切ない)プロ初めて観ました。凄く危険な事をやってるんです。でも、凄い安定感。彼女の表情も絶対失敗しないって知ってるというか、椅子の流れに任せてるというか。椅子と滑ってる勿論、計算しつくされた動き。凄かった。勿論スタオベ。
 田村岳斗。野球プロです。バットとボール持って滑ります。こういったアイスショウにおける彼のプロは、ひとつはシリアスでひとつはコミカル──というのが定番化してるのかも。ボールを場内に打ち込むので、場内が物凄く沸きます。
 チン・パン&ジャン・トン。パンの髪が短かくなってた。ロングより似合う印象。中国のペアはいつも圧巻。今回も盛り上がりました。でも、何で衣装が灰色なんだろう。
 エヴァン・ライサチェック。相変わらずの黒い衣装で、衣装でプロの判別ができない駄目な私……。今は彼が世界チャンプなんだよね。それなりに観ているし、どんな選手にもそれぞれ思いいれがあるのだけど、彼に対する想いは色々複雑だ。
 佐藤有香。『タイムアフタータイム』。最近ペアで滑らないのは何故なんだろう……と思いつつ、今回も彼女の滑りが観られて良かった。オリンピックは、小塚の振付師としてキスクラ入るんだろうか……。
 カート・ブラウニング。脱いだコートを有香に羽織らせてたりキスしたり、氷上に造り上げる世界が本当に素敵で……。こういう言い方は微妙に聞こえるかもしれないのですが、旧採点の頃のプロってこう、現在と較べると割りとスカスカしてると思うのです。だから、カートあたりは年齢も相まって、別に密度薄めのプロでも良いや──とか思ってたところもあるのですよ。でも、実際このヒトのプロの濃い事。休むところない。ずっと動いてる。締まった肉体と言い、期待以上。驚くばかり。
 荒川静香の『フラメンコ』。常に進化し続けていて吃驚します。4年前、彼女が『フラメンコ』を滑るなんて予想も出来なかった。それがこうやって滑っちゃうんだもんなぁ、と……。
 フィナーレでは宮賢がカートのスケート靴を貰ったのか、それともそもそも借りてた靴だったのか、カートが割と早い段階で靴を脱いで氷上から姿を消してしまったのですが、凄く愉しかったです。千秋楽公演のフィナーレっていつも愉しくて好きです。
 そう言えば今回男性陣みんなでロロジャンプしてたなぁ。(笑)

 FOIはやっぱり、初回開催の時が一番印象に残ってもいるのですが、今回もとても愉しかったです。行って良かった。今回は本当に、期待していた以上のものを観られたなって思ってます。

 そういえば、同じFOIでも、Fantasy On Ice はいつの間にか中止になってましたね。キャンデロロが来るって言うからちょっと煽られてしまいました。あ〜あ。どうせチケットは購入しなかったけど……。
 そして全然関係ないけど、最近見つけたニュース。
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090825-00000584-san-spo
 スケート選手に関しても、これ結構辞めて欲しいと思ってます。だってスケートの場合、画面テロップとして出してるこの煽り文の裏に、滑ってる選手の姿が隠れちゃう事が多々あるんだもの。
posted by HOSHINA Shiho at 00:24| Comment(0) | TrackBack(1) | フィギュアスケート2009-2010 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月17日

SUNSTAR Ora2 presents J-WAVE LIVE 2000+9

 何やら遅くなってしまいましたが、コミケ76に参加された皆様、お疲れ様です。そしてどうもありがとうございます。目下のところサークル参加はあと1回の予定(予定は未定ですが、今後に関しては現時点では保留な感じ。)なので、とりあえずは10月までもうひと頑張りです。

 さて。予告どおり今年も国立代々木競技場第一体育館で開催されていた『J-WAVE LIVE2000+9』に行って参りました。
 参加したのは16日で、参加アーティストは出演順に秦基博、清水翔太、Crystal Kay、KREVA、平井堅、スガシカオ。私は余り流行りの音楽に詳しくはないので、こういったフェスで聴く曲は八割方が初めてです。実際、この中でCD持ってるのは平井堅とスガシカオだけ。
 秦基博、清水翔太のふたりに関しては、全て初めて聴いた曲。Crystal Kay の『恋におちたら』は聴いた事があったけれど、今回初めて聴いた『After Love -First Boyfriend』も素敵だったし、ノリの良い曲も多くて、このヒトのワンマンライヴも愉しそうだと思いました。
 KREVAもちょっと……というか、かなりイメージ変わりました。個人的にヒップホップって概して言葉が聞き取れないイメージがあるのだけど、こういう会場で改めて聴くとこのヒトのMCは驚くほど聴き取り易いし、話す内容も素敵。ちょっとファンになりました。
 命を削って唄う平井堅のセットリストは以下の通り。
 『Strawberry Sex』
 『BLACK OR WHITE』
 『Love Love Love』
 『瞳をとじて』
 『POP STAR』
 『LIFE is...』
 全然関係ないのですが……私、この夏休みはかなり体調を崩していて、夏コミの時も行く最中に立ち眩み気味だったのですが……どうも不測の事態というのはこういう時に起こるもので。なんとこの夏一番に具合悪くなったタイミングが、堅ちゃんが始まる寸前にやってきて。まぁ倒れはしなかったのですが、かなり苦しかったです。しかも具合悪くて席を立ったら、スタッフにしきりに席に戻れと注意されるし、そのスタッフの息が激しくニンニク臭くて更に具合が……。スタッフやるなら歯磨いてくれ。結局、堅ちゃん歌ってる真っ最中にふらふらになりながら席に戻ったのだけど(フィギュアスケートの競技会やアイスショウ、その他のコンサートだと曲が終わるまで席に戻るのを停められるけど、このイベントは何が何でも席に戻すというルールのようで)かなり苦しい状態で聴く事になりました。
 よもや堅ちゃんのタイミングで体調をMAXに崩すとはね……。
 さて。『BLACK OR WHITE』は先の Ken's Bar でもやっていましたが、今回も似非ムーンウォーク登場。(笑)これには場内歓声が。
 しかし、次の『Love Love Love』では大失態。(苦笑)「そこのタイミング外しちゃ駄目でしょ!」っていう一番大事な場所でボーカル入るタイミングを逃してしまって。隣のカップルは「え? これ失敗したの?」みたいな感じだったけれど、ファンにしてみれば「バカ……」と呟いてしまう程の間抜けっぷり。
『POP STAR』の入りも失敗してやり直ししちゃうし、流石にこの時は場内失笑で……。もう『LIFE is...』のピアノ伴奏もこの前みたいに失敗したらどうしようとドキドキしてしまいました。
 MCの方はこういったフェスでは余りネガティヴな事を言わない(そこはやっぱり弁えてるんだなぁ、と。逆に言えば、自分のファンの事を信用してくれてるんだな、このヒト──とも思うのだけれど。)ので、石川で泳いだ話とかトビウオとかバタフライとか下ネタ連発で、MCが落ちないまま突然曲に入るスタイルもしっかり場内に受け入れられていて面白かったです。あと、代々木はステージ上に客席の声が届き易いのかな、と。いつもより随分客席の声拾ってたかも。
 バックステージインタビューでは懐かしのヘアスタイルに戻したのを指摘されていましたが(10年前の『楽園』の頃みたいなヘアスタイルに戻っていた)、松山ケンイチに憧れてヘアスタイル変えてみたんだけど──って言ってたのっていつだっけ? 半年くらい前? 最近コロコロヘアスタイル変えるなぁ。あと、ビーサンがKREVAとおそろいだとか、クリス・ペプラーと同じスポーツクラブだとか(クリス・ペプラーと平井堅が同じフロアにいるのを想像すると何とも濃いスポーツクラブである)かなりノリノリで喋ってたかも。余りに喋りすぎてSaschaに停められたり。可愛いヒトだよなぁ。
 そして命を燃やして唄う(違ったっけ?)スガシカオのセットリストは以下の通り。
 『午後のパレード』
 『コノユビトマレ』
 『奇跡』
 『13階のエレベーター』
 『春夏秋冬』
 『月とナイフ』
 『Party People』
 『19才』
 ここからはアンコール。
 『フォノスコープ』
 『このところちょっと』
 『イジメテミタイ』
 あちこちのフェスで唄い過ぎたらしく、MCの声はへろへろ。喋るだけで場内から失笑が起きるほど声がかすれていて。でも歌うとばっちり声出てるんだよなぁ。
 しかし、『イジメテミタイ』を歌い始めた時には思わず腕時計を確認してしまいましたよ。「まだ21時前だってのにこの曲はどうなの?」と。(笑)いや、『19才』も深夜向けだとは思ったけどさ。でもレベル違うよね。

 そんな感じで今年も愉しんだコミケとライヴ。具合悪いながらも、夏のイベントはこれで八割方終了です。いや、まだ続くんだけど。(笑)でもやっぱりインドア。次の週末も休めません。
posted by HOSHINA Shiho at 23:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 平井堅 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月07日

衰退するつもりだった(BlogPet)

きょうねりなが司会したかもー。
だけど、衰退するつもりだった?
でも、きょう志穂は、休憩するつもりだった。

*このエントリは、ブログペットの「ねりな」が書きました。
posted by HOSHINA Shiho at 07:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月03日

奇想の王国 だまし絵展

 渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで開催されている『奇想の王国 だまし絵展』に行って参りました。
 今回の展覧会は所謂子供たちの「夏休み」と被ってしまった事もあって、小学生くらいの来場者が沢山! でも、ある意味そうあるべきというか──絵画を好きになる登竜門として丁度良いような展覧会だったな、というのが率直な感想です。
 他のブログ等でもお見かけした意見だったりするのですが、やっぱりこういう切り口の企画展って、ちょっとセレクトが乱暴になってしまうというか……「この絵をだまし絵と呼ぶのはどうかなぁ」という作品がどうしても混じってくるところがあって。そういうのを気にしてしまうと、腑に落ちない部分が出てきてしまうのですが、それでも、やっぱり「だまし絵」として括られるジャンルの作品は集めると愉しいし、こういう展覧会から絵を好きになる子供達もきっと沢山いるのだろうと思うのです。だから、その辺りは余り深く追求しない方向で。

 実は、今回の展覧会で個人的にすっごく観たかったのは河鍋暁斎の《幽霊図》。(もうこの時点でだまし絵云々といった切り口を無視している。暁斎をだまし絵といった観点から好む人ってあんまりいない気がするし)
 幕末・明治好きで怪談好きと来れば、この人の絵は外せません。しかもこの《幽霊図》、超が付くほど有名な絵でありながら所蔵はオランダ国立民族学博物館。これではなかなか本物を観る機会がない──という訳で、かなり観てみたかった絵のひとつだったのです。河鍋暁斎の作品は他にも《閻魔と地獄太夫図》と《雛祭図》が観られます。
 国内の画家の作品で他に眼を引いたのは鈴木守一の《秋草図》。其一(父親)の絵も並んでいたのですが、守一の方がボタニカルアート好きな私の心には訴えてくるものがあるのです。好みの問題かも。彼らの絵はジャンルとしては『描表装』というものに分類されるのだけど(掛軸の布の部分の模様まで描いてしまうような絵の事をそう呼ぶ。)、この描表装の中では柴田是真の《滝登鯉図》等もこう、妙な面白さがあります。
 そして日本の画家の中で何と言っても忘れてはいけないのが歌川広重。この人の《即興かげぼしづくし》の一連の作品群はかなり傑作です! この人の作品はだまし絵というよりは、江戸時代の宴会芸ノウハウ本の抜粋というか……。この作品群はどう考えても笑うところでしょう。というか、江戸時代にあってさえ、ここまで宴会芸に腐心していたのかと思うと日本人ってどこまで間(以下自主規制)という感じですが、それがまた良い。日本人の心を撃ちます。
 そして20世紀を代表するシュールリアリズムの巨匠、ルネ・マグリットやサルバドーレ・ダリ、そしてM.C.エッシャー。この辺りはもうだまし絵やトリック・アートといった括りの際には必ず登場する画家ですが、それでもマグリットの《白紙委任状》や、エッシャーの《上昇と下降》に《物見の塔》といった有名作品などは、何度観ても新鮮で愉しい。
 ジュゼッペ・アルチンボルドの《ウェルトゥムヌス》と《水の寓意》は、この展覧会の目玉作品として強烈だったし、今後この2作品を国内で観る機会はほぼ無いだろうなと思うと貴重な体験でした。
 そうそう、現代美術のだまし絵達もかなり面白かったです。特にパトリック・ヒューズの《水の都》。突然視界に飛び込んでくると酔いそうな絵です。(最初はどうしてそんな視え方をするのか判らないので。)酔うと言えば、高松次郎の《遠近法のテーブル》なんかもちょっと酔いかけました。

 個人的には童心に帰った気分で「何か面白い絵いっぱい観た!」みたいな感じの愉しい展覧会だったのですが、ネット上の評価は割れてるのかな。う〜ん、多分「だまし絵とは」みたいな前提条件の部分を重視するかしないかがネックになってるんだろうな、とは思うだけど。まぁその辺、私なんかは知識が無い分、大雑把でいられるから、違和感はあっても不満はなかったりするんだけど……。

 あ、そうそう。今回は時間も丁度良かったのでドゥ マゴ パリのランチも戴いて来ましたよ。ドゥ マゴ パリって、お店の方の対応が凄く良くて大好きなお店のひとつです。夜は入った事無いけど。
posted by HOSHINA Shiho at 00:02| Comment(3) | TrackBack(0) | 美術展 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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